南アフリカランド円が買いである理由
南アランド円が、なぜ今買いなのかと思う理由がいくつかあります。
ひとつに、他通貨に対して南アランドは相当弱い状況が続いていることが挙げられます。
2014年9月21日時点のドル/南アランドレート
左のグラフは、2014年9月21日時点のドル/ランドのチャートです。
グラフに書かれている数値はちょっとアバウトなんですが、月足の最安値を結び合わた線を引きました。
2つあるラインのうち一番左側を見てください。上昇の過程で、このラインの上側にあるときは、トレンドは上昇を表します。しかし、いったんこのラインを割った後、もみ合いを形成して、下降トレンドを形成しました。
もちろん、その前の段階でかなり急上昇しているで、突き出たその一本の月足のクライマックスから、下降トレンドが始まったということが言えますので、チャートにひいたラインは、必ずしも的確なトレンドラインではありません。
今度は右側の2本目のラインを見てください。きれいに、このラインに沿ってドルが対南アフリカ通貨に対して強くなっています。今回のラインは間違いなく、トレンドを形成しているラインです。なので、このラインをはっきり割ったとき、ドルが下降トレンドを形成することがうかがえます。
2014年9月時点で、まだドルは南アフリカランド通貨に対してはっきりした上昇トレンドを継続しているかと思います。この最終目的地はどこに行きつくか?
一つの目安が、金融恐慌時代にいっきに急上昇した12円付近までです。皆さんも覚えているかと思いますが、この時は、100年に一度の恐慌と言われ、歴史的な時代に直面したわけですが、おそらく、この100年に一度の恐慌に匹敵する急上昇のセリングクライマックス値に到達するくらいまで上昇するだろうと思われます。
もし、この100年に一度と言われる出来事で実現した12円付近のドル/南アランドのレートを抜けるとしたら、もはや100年に一度ではないというわけで、そんなおかしなことがすぐに実現できるはずがないという見立てができます。
個人的には、ダブルトップを付けて下降トレンドを形成するか、もしくはトリプル的な動きで下降していくものと思われます。
南アランド円2014年9月時点の月足チャート
今度は、南アランド/円の通貨ペアを見てみましょう。
対円で、南アランドは、横ばいとなっています。
上昇トレンドも下降トレンドでもありません。
しかし、長いスパンで言えば、下降トレンドライン付近にうろつきながら、最安値で結んだラインに支えられている状況です。
このチャートからわかることは、どちらかに抜けたほうにトレンドを形成していくだろうということです。
もし、そうならば、現在、南アランド円の通貨ペアZAR/JPYは、今後上昇していく可能性があると言えます。チャートをよく見てみると、下降トレンドラインを2014年9月に突破しつつあります。
上の2つのチャートから判断できることは、今後南アランドは上昇トレンドを形成していくのではないかと考えられます。
今後も金は必要とされる
また、別の視点でとらえてみましょう。
通貨の裏付けとなる「金(ゴールド)」は、その貴重性から今後もトレードの基準となりうるものです。
2006年代は金ドル相場が600後半で推移していましたが、
2011年代に1900以上まで上昇しました。
2014年9月21日時点で、金ドル相場(XAU/USD)は1240付近です。
およそ6年かけて上昇した金相場が、3年で半値戻しとなっていますので、さらに下がるのなら、そこからさらに半値と考えて、2016年代後半あたりに900台で落ち着くのではないかと考えていますが、
ここから金はしばらく安定していくでしょう。
そうなると、安定した金「ゴールド」を裏付けとして、資源国通貨である南アランドが着目されてくるのではないかと思います。
金利政策
金利政策も見ていくと、ランド通貨の金利は現在5.75%となっており、本格的に金利引き上げの段階に入ってきました。
2012年7月から2014年の1月までずっと5%の高金利で推移してきました。これは、国の政策として、通貨価値の下落をこれ以上避けるためで、資金の流出を防ぐ手段としてきました。高金利通貨としてのイメージが強いわけですが、物価のとの兼ね合いで、いよいよ金利が今後上昇していくでしょう。これは世界的な流れとなっており、アメリカも金利を引き上げる段階に入ってきました。
このような世界的な流れを受けて、さらに南アフリカの金利も上昇していくなか、2008年代は11%以上で推移していた時期がありましたので、今後、かなり上昇していくことが期待できます。
特にアメリカは0.25%の低金利を2008年12月からずっと維持してきました。2014年9月現在もまだ超低金利を続けていますので、今後上昇させると、数年スパンで金利が上昇し続けるのかもしれません。
そう言う意味で、スワップ狙いの方は、数年は高金利によるスワップポイントが期待できそうです。
総評
上記のとおり、通貨のトレンドは徐々に形成されていき、南アランド通貨は資源国通貨の力をいかんなく発揮していくと思います。おそらく、2015年代にまずは、11円台に戻し、2015年後半あたりに12円を回復するまでに上昇していくと、予測しています。
なので、
まだ下降トレンド中にある南アフリカ通貨「ランド」ではありますが、おそらく、あと数か月で反転するのではないかと考えています。大底を打って反転した時、南アフリカ通貨の時代がやってくるだろうと思います。
そう言う意味で、2015年の頭ぐらいまでには南アランド円の通貨ペアを保持するのが戦略的に良いだろうと考えます。
追記
2014年12月中旬
USD/ZARは、いまだにトレンドに乗って上昇中。形から行くとセリングクライマクスをむかえつつあるような形になってきました。おそらく2015年1・2月ごろにランドが最安を迎えるかもしれません。